躁状態とは双極性障害の代表的な症状であり、この状態になった人は異常に気分が高揚して活発になっています。心の病気に対する認識が深まっている昨今、躁状態を知っている人はたくさんいるかと思われますが、活発になる事に対してどこが良くないのか答えられる人は何人いるでしょうか。その疑問はさておき、躁状態という活発な状態の良くない点はそれが病気がもたらしているからに尽きます。楽しい出来事があればだれでも気分が高揚するものの、精神病がもたらす元気はブレーキやコントロールができないものです。冷静な判断が出来ないまま、借金や浪費をしたり夜遊びにふけったりなど一線を越えた言動を繰り返してしまいます。身体的にも経済的にも破滅してしまうリスクが高いわけうえに、後に必ずやってくるうつ状態で苦しんでしまう事も良くないです。こうした精神病を抱えてしまう人には肥満体型の人が多いため「太っている人がなりやすい」と言われていますが、優しい性格や真面目な性格の人間が陥りやすいというのが通説となっています。他人に優しい人は社交的で親切、周囲を盛り上げてくれるイメージがあるので周囲の人から好まれているものです。それは逆に言えばそうした評価が「周囲の人たちからの印象を崩さないようにしなければ」とその人を追い込んでいる恐れがあります。実際に他人に優しい人は周りの雰囲気を汲み取っている節があり、そのストレスは真面目な性格の人に匹敵すると言えるでしょう。真面目な性格の人は一人で物事を抱え込む性質を持っており、そのせいでストレスを発散できずに溜めてしまいます。それが精神を蝕むほどに大きくなってしまい、結果として心に大きな障害を抱えて生きなくてはならなくなるというわけです。双極性障害の症状の1つである躁状態に限らず、精神病の患者との接し方は病気を認識するところから始まります。言動の異常や意欲の低下など精神病の症状は軽度の風邪や体調不良、あるいは不機嫌による態度の悪さにも見えます。しかしよくよく観察すれば異様な独り言や虚言といった通常では考えられない行動が多々あり、その違和感は決して見逃してはいけません。もちろん放置するという選択肢はありますが、躁状態でよく発生する借金などのトラブルから本人や周辺の人々を守るためには治療が必要です。とは言っても「病院に行こう」や「お医者さんに診断してもらおう」と助言すれば反発のあまり、暴力を振るうリスクはあります。本人が落ち着いているタイミングを見計らって促す手段もありですが、危うい場合は本人の状態を無視して受診したほうがいいでしょう。あとは医者の判断のもとで治療に専念していくとともに悪影響を与えないよう、もしくは刺激しないように接していくだけとなります。例えば躁状態であれば、ハイテンションになっている本人の行動を肯定したり助長したりする言動は止めておくべきです。冷静に対応してコントロールしていけば自然と気分が落ち着き、勢いによる行動をするタイミングを見失います。余談ですが、うつ状態になったらハイテンションだった時の行動を指摘せずに優しく接する事が正しい対応です。あまり知られていませんが、双極性障害は2つの状態によって接し方を変える必要があるものの、根本的には全ての精神病の患者に通じる敵意や特別扱いを控えれば問題ありません。
躁状態になってしまった時にはできるだけ早く病院を受診することが大切です。できるだけ1人ではなく家族などにつき添ってもらって受診をするようにしましょう。どこにかかるかわからない時には口コミを参考にして病院を探しましょう。
抑鬱状態と躁状態を不定のサイクルで繰り返す精神疾患を双極性障害と言います。躁状態のときは気持ちが高揚して積極的になります。しかし、食事や睡眠を疎かにして活動したり、ギャンブルで大金を使ったり、多弁になって周りを困らせる事があります。
躁状態になっても鬱状態になった家族がいる人は、その対応に苦慮することになります。症状が出た時には、本人をやさしく説得することで、一度病院にて診断を受けることが大事です。放っておくと症状が進み、治療にも時間がかかることになります。
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